文様の彫り方 その7 ~流水~

小物・創作木彫の技法

流水

「流水文」は、水の流れ、蛇行を文様化したものです。

三代沢村宗十郎の大岸蔵人
よっ! 扇子に流水文

今回は 2種類の流水文の彫り方を説明します。

流水文の木彫サンプル

用いた彫刻刀は、キワ刀と浅丸刀、丸刀の3本です。

準備

カーボン紙ではがき大の木に流水文を写していきます。下絵はここ(流水のPDF)よりダウンロードできますのでご利用ください。

流水文を木に写す

1.流水1 の彫り方

下図赤色矢印線については、矢印方向に向かっていくつれ徐々に深くなるように切り込みをキワ刀で入れます。黒色の箇所は切り込みと交わるように浅丸刀で滑らかな曲面を彫っていきます。

流水(観世水)_指示書

 

断面は次のようになります。

流水の断面図
流水の断面図

 

 

下絵も消えるように丁寧に彫って完成です。

 

流水(観世水)の木彫り完成

 

2.流水2 の彫り方

流水1の彫り方とほぼ同じです。赤色線は矢印方向に向かっていくつれ徐々に深くなるように切り込みをキワ刀で入れます。オレンジ色の箇所は切り込みと交わるように浅丸または丸刀で滑らかな曲面を彫っていきます。

流水2_指示書

 

次に緑色の線をキワ刀でV字に彫っていきます。

 

流水2_指示書その2

お好みの角度、深さで切り込みを入れ、その切り込みに交わるようにもう一度切り込みをいれます。この角度、深さによって、線の太さも変わるので色々試してみましょう。その際、V字がガタガタするなどして、水の流れを殺すことのないように注意しましょう。

流水2の木彫り完成

 

文様の彫り方

  1. 格子(こうし)から鱗(うろこ)
  2. 雷文(らいもん)
  3. 麻の葉、紗綾形(さやがた)
  4. 青海波(せいがいは)、七宝つなぎ
  5. 檜垣(ひがき)、組亀甲(くみきっこう)
  6. 三枡繋ぎ(みますつなぎ)、三枡散らし
  7. 流水(りゅうすい) ←現在表示しているページ
  8. 分銅繋ぎ(ぶんどうつなぎ)、立桶(たてわく)
  9. 山路文(やまじもん)、三筋立(みすじだて)
  10. 毛卍文(けまんもん)、五芒星(ごぼうせい)
  11. 千鳥(ちどり)、千鳥格子(ちどりごうし)
  12. 捻じ梅(ねじうめ)
  13. 菊菱(きくびし)、八重菊(やえぎく)
  14. 市松(いちまつ)、三崩し(さんくずし)
  15. 亀甲(きっこう)、矢絣(やがすり)