中国古代の代表的な文様「雷紋」。
私はこの文様を見ると学生の頃に近所で食べた中華そばの器を思い出します。

ラーメンの器
今回は馴染み深い「雷紋」の彫り方を二例説明していきます。

雷紋2種盛
ちょっとした彫り方の違いで見え方が全然違うところが面白いです。
1.中央が高い雷紋
まずはカーボン紙ではがき大の木に雷紋を写していきます。下絵はここ(雷紋のPDF)よりダウンロードできますのでご利用ください。

雷紋の下絵
次に下絵の赤色と黒色の実線部分を三角刀で彫っていきます。直線彫りは前回の格子文様を彫ることができるなら問題なくこなせると思います。直線がつながるところで線が突き抜けないようには注意しましょう。

線のつながりに注意

雷紋を三角刀で彫る
次に三角刀で彫った部分にキワ刀で切込みを入れます。

雷紋の縁に切込みを入れる
続いて、切込みを入れた部分から下絵における緑の実線部分にかけて斜面を彫っていきます。

雷紋の中央が高くなるように平刀で斜面を彫る
下絵における緑の実線部分が一番高くなりますので、この部分はなるべく彫らずに斜面を作りましょう。

中央が高い雷紋完成
2.中央が低い雷紋
先ほどとは逆に中央が一番低くなるように彫るバージョンです。
まずは、三角刀で緑色の実線部分を彫ります。

雷紋の中央に三角刀を入れる
次に下絵における点線部分は中央に向かうにつれて深くなるように、キワ刀で切込みを入れます。

中央に向かうにつれて低くなるようにキワ刀で切込みを入れる
続いて中央を部分が一番低くなるように斜面を彫っていきます。

雷紋の中央部分が低くなるように平刀で斜面を彫る

中央が低い雷紋
お腹がすいてきました。今夜は中華料理で。
文様の彫り方
- 文様の彫り方 その1 ~格子(こうし)から鱗(うろこ)~
- 文様の彫り方 その2 ~雷紋(らいもん)~ ←現在表示しているページ
- 文様の彫り方 その3 ~麻の葉、紗綾形~
- 文様の彫り方 その4 ~青海波(せいがいは)、七宝つなぎ~
- 文様の彫り方 その5 ~檜垣(ひがき)、組亀甲(くみきっこう)~
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