文様の彫り方 その4 ~青海波(せいがいは)、七宝つなぎ~

小物・創作木彫の技法

「青海波」と「七宝つなぎ」の彫り方を説明していきます。

これまでは、三角刀、平刀、キワ刀を多用してきましたが、今回は浅丸が活躍します。

 

青海波と七宝つなぎの木彫り
青海波と七宝つなぎの木彫り

準備

カーボン紙ではがき大の木に青海波と七宝つなぎを写していきます。下絵はここ(青海波と七宝つなぎのPDF)よりダウンロードできますのでご利用ください。

青海波と七宝つなぎを木に写す
青海波と七宝つなぎを木に写す

1.青海波の彫り方

まずは、下絵における黒線の上あたりを三角刀で線彫りします。

三角刀で青海波を線彫りする
三角刀で青海波を線彫りする

次にキワ刀で下図のように切込みを入れます。端の方にいくほど深くします。

端にいくほど深くキワ刀で切込みを入れる(青海波)
端にいくほど深くキワ刀で切込みを入れる
キワ刀で切込みを入れる(青海波)
キワ刀で切込みを入れる

切込み入れた箇所と交わるように平刀で斜面を彫っていきます。

切込み入れた箇所と交わるように平刀で斜面を彫る(青海波)
切込み入れた箇所と交わるように平刀で斜面を彫る
斜面彫った後(青海波)
斜面彫った後

次に全体的に下図のように平刀などで高低差をつけます。

全体的に高低差を付ける(青海波)
全体的に高低差を付ける
高低差を付けた後(青海波)
高低差を付けた後

各波の線が薄くなっているので三角刀で線彫りし直します。

消えた線を彫りなおす(青海波)
消えた線を彫りなおす

下図のように波を浅丸で波を彫っていきます。

浅丸で波を彫っていく箇所(青海波)
浅丸で波を彫っていく箇所

彫ったあと、でこぼこにならないようにしましょう。

浅丸で波を彫っていく(青海波)
浅丸で波を彫っていく

ささくれや削り残しがないように、平刀、キワ刀、浅丸、三角刀できれいに仕上げていきます。

青海波の木彫り完成
青海波の木彫り完成

2.七宝つなぎの彫り方

まずは三角刀で近接した円の交点を結ぶように線彫りします。

円の交点を結ぶように線彫りする(七宝つなぎ)
円の交点を結ぶように線彫りする

線彫りをした箇所を境に半分ずつ、縦長の半円のような形を浅丸で彫っていきます。このとき、浅丸の横方向の角度を変えることで細い線と太い線を彫り分けます。

青海波と同じく、彫ったあとはでこぼこにならず、きれいな曲面になるようにしましょう。

七宝つなぎの木彫り完成
七宝つなぎの木彫り完成

文様の彫り方

  1. 格子(こうし)から鱗(うろこ)
  2. 雷文(らいもん)
  3. 麻の葉、紗綾形(さやがた)
  4. 青海波(せいがいは)、七宝つなぎ  ←現在表示しているページ
  5. 檜垣(ひがき)、組亀甲(くみきっこう)
  6. 三枡繋ぎ(みますつなぎ)、三枡散らし
  7. 流水(りゅうすい)
  8. 分銅繋ぎ(ぶんどうつなぎ)、立桶(たてわく)
  9. 山路文(やまじもん)、三筋立(みすじだて)
  10. 毛卍文(けまんもん)、五芒星(ごぼうせい)
  11. 千鳥(ちどり)、千鳥格子(ちどりごうし)
  12. 捻じ梅(ねじうめ)
  13. 菊菱(きくびし)、八重菊(やえぎく)
  14. 市松(いちまつ)、三崩し(さんくずし)
  15. 亀甲(きっこう)、矢絣(やがすり)