布を身体に巻き付けると、骨格や身体の動きに合わせて、様々なひだができます。今回は平安前期の仏像において流行した衣のひだ「翻波(ほんぱ)式」の彫り方を説明していきます。翻波式は水面に風が吹きつけたとき生じる波を表したものです。時代の流行によりひだの表現は違いますが、この彫り方を覚えておけば他のものにも応用がきくと思います。


以下は教室の見本として彫ったものです。

翻波式の見本

翻波式

断面図は以下のようになります。

翻波式の断面図

断面図(翻波式)

では、彫り方の説明をしていきます。用材は板状のものを半楕円にします。板状ののものなら何でもよいです。先日、熱心な生徒さんが衣のひだではありませんが、かまぼこ板で練習していたので私もマネしようとしたのですが、あいにくタイミングよくかまぼこ板がありませんでした。翻波式の見本のためにかまぼこを買うのも何か違う気がしたので、結局は教室にあった木で彫ることにしました。

以下用材です。少し厚みがあり、両面に彫ることにしましたので断面は楕円になっています。

翻波式用材

翻波式用材

翻波式用材(断面)

翻波式用材(断面)

①この用材にまずは三角刀で以下のような曲線を彫っていきます。彫る前に鉛筆で簡単な下書きをしておくと失敗なく彫れると思います。

翻波式の彫り方(三角刀で線を彫る)

②次に三角刀で彫った箇所に沿って浅丸刀(または丸刀)を入れます(分からない場合は断面図を参考に)。

翻波式の彫り方(丸刀でを彫る)

③さらに浅丸刀を入れた箇所に沿ってに丸刀(または浅丸刀)を入れます(分からない場合は断面図を参考に)。

翻波式の彫り方(稜線ができるようにさらに丸刀でを彫る)

すると、鋭い波間が浮き出てきます。

翻波式の彫り方(稜線があらわれる)

④平刀やキワ刀で角を丸めます(分からない場合は断面図を参考に)

翻波式の彫り方(角をとり仕上げる)

以上が彫り方となります。丸刀や浅丸刀を上手く使いこなせれば、それほど難しくはないと思います。ただし、一体の仏像を彫る際にこの彫り方を使うときは、衣のひだに気をとられてその下にある骨格を忘れないように注意してください。