研ぎ機の購入に悩む人々
趣味で木彫をされている方から彫刻刀用研ぎ機の購入を検討していると相談を受けることがあります。私の教室に通っている生徒さんの相談なら受けるのは当然なのですが、事前に問い合わせもない初見の方が急に来られて相談される場合もあります。さらに困ったことには他の教室に通っている方から相談されることもありました。私の工房は研ぎ機の相談所でも、展示場、代理店でもありません。頼られれば力になりたいところですが、時間や体調などの制約もありますので、残念ながら今後はお応えできませんので、あしからずご了承ください。
とは言いつつ、彫刻刀用研ぎ機を選ぶポイントを簡単にではありますが説明します。参考にしてみてください。
研ぎ機を購入したい理由、購入に踏み切れない理由
購入したい理由
①いつでもよく切れる彫刻刀を使いたい
②研いでもらうための料金が高い
購入に踏み切れない理由
①実物を見てから買いたい
②価格が高い
③自分で研げるか心配
清水製作所の研ぎ機で違いを見る
M-7型 | M-6型 | M-10N型 | |
①横幅 | 350mm | 400mm | 660mm |
②奥行 | 150mm | 230mm | 330mm |
③高さ | 150mm | 195mm | 375mm |
④重量 | 5.5kg | 12kg | 28kg |
⑤定格時間 | 30分 | 連続 | 連続 |
⑥回転数(一分あたり) | 1400回(50Hz) 1700回(60Hz) |
1450回(50Hz) 1750回(60Hz) |
1000回(50Hz) 1160回(60Hz) |
⑦WA砥石(直径×幅) | なし | なし | 150mm×19mm |
⑧PVA砥石(直径×幅) | 60mm×10mm | 125mm×10mm | ・150mm×19mm ・125mm×10mm(R付き) |
⑨布バフ(直径×幅) | 60mm×15mm | ・125mm×20mm ・125mm×10mm |
・150mm×25mm ・150mm×10mm ・50mm×6mm |
⑩フェルトバフ(直径×幅) | ・60mm×4mm ・60mm×6mm(山型) |
・125mm×5mm ・100mm×6mm(山型) |
・100mm×6mm(山型) |
⑪皮バフ(直径×幅) | ・60mm×4mm ・25mm×3mm |
なし | なし |
⑫金板(直径×幅) | 60×3mm | 125mm×4mm | 145mm×8mm |
⑬参考価格(税抜き) | 43,000円 | 55,000円 | 100,000円 |
①~④・・・サイズ、重量は、購入するときに必ず考慮する必要があります。「M-7型」は小さく軽く、持ち運びもできます。「M-6型」、「M-10N型」は重いので据え置きになるかと思います。また、大きいサイズの方が小さい刃物から大きい刃物まで安定して研げるように個人的には思います。
⑤・・・負荷をかけての連続使用。「M-6型」、「M-10N型」は連続使用ができ、「M-7型」で30分です。軽く研ぐ程度なら30分で十分かと思います。
⑥・・・一分あたりの回転数。私はゆっくりの方が研ぎやすいと思いますが、早い方が研ぎやすいという方もいます。慣れの問題でしょうか。
⑦~⑪・・・刃物を研ぐときは粗い粒度の砥石で研ぎ、徐々に細かい粒度の砥石に変えながら研ぎます。⑦WA砥石が粗く、⑧PVA砥石が中程度となります。⑨~⑪は青棒などの研磨剤を塗り、仕上げの研ぎとして使用します。
⑫・・・金板(かないた)に青棒を塗って、刃の裏を研ぐときなどに使用します。これはぜひほしいところ。
さいごに
購入は自己の責任でお願いします。
砥石で研ぐことをお考えの方は、ナニワ研磨工業さんの砥石セットをチェックしてみてください。水を数滴たらすだけすぐ扱え、サイズも小さく邪魔になりません。ナニワ研磨砥石 Amazon販売ページ