火の鳥 鳳凰編 by 手塚治虫

探求

仏師。
日本における、仏像などの制作を担当する者に対する名称である。

仏師 - Wikipedia

生徒さんに「知っている仏師は?」と聞くと、必ずと言っていいほど「運慶」「快慶」が入ります。中学、高校の教科書にも出てきましたし、最初に覚えた仏師がこの二人である方は多いでしょう。 では、「仏師というものを最初に知ったのは?」と聞くと皆さんはどのように答えるだろうか。大概の方は答えられません。 私の場合は、「火の鳥 鳳凰編」と即答します。知っている方とは盛り上がるのですが、知らない方もいたので簡単に紹介します。 火の鳥 「火の鳥」は手塚治虫が晩年までライフワークとして取り組んだシリーズものの漫画で、「鳳凰編」は奈良時代の仏師二人を主役としたお話しです。 そのうちの一人"我王(がおう)"は、誕生直後に片腕と片目を失い、盗賊となって生活するのですが、あることをきっかけに仏師として目覚めていきます。政治など世の中の理不尽さに翻弄されつつ、怒りをエネルギーに彫る我王を小学生の私は怖いという印象を持ったと記憶しています。「怒(ど)、怒(ど)、怒(ど)」と声に出しながらエネルギーを溜め彫る姿を小学生が理解するのは困難でした。 また、もう一人の仏師"茜丸(あかねまる)"との関係の中で最後にもう片方の腕を失うという人間ドラマは困惑しかありませんでした。 しかし、大人になってから再び読むと様々な視点から読め、共感できることも多く、影響を受けていたと感じることさえあります。火の鳥はシリーズ全体で過去・未来を行き来しながら全体がつながるようなスケール感あり、大人でこそ楽しめる内容となっています。鳳凰編読んでみて、興味を持てたらぜひシリーズ読破してみてください。

探求