目標を持つ大切さ、危うさ
目標を持つことにより、「どのようにすれば達成できるか?(方法、手段)」を考え、それを実行する、というテキパキした行動につながるように思います。そして、目標を達成、または挫折を繰り返すことにより、人は磨かれていくのではないでしょうか。
ただ、目標達成しようとする気持ちが暴走すると、目標達成に近づいているようで、ほとんど近づいていない場合があります。
木彫教室では基礎的な技術などを習得してもらうためにカリキュラムを用意していますが、この基礎をいい加減される方がたまにおられます。そのような方は、XXXのようなものを彫りたいといった具体的な目標がある場合が多いです。XXXのようなものを彫りたいのは結構なのですが、それを彫るためには基礎を固め、その後も様々なことを習得していかなければなりません。つまり、XXXのようなものを彫りたいという目標を達成するためには、基礎を固めるなどといった途中目標が必要となるのです。
そのことを理解せずにいると、基礎などつまらないから早く終えてXXXを彫るのだという考えに陥り、途中過程を無意味なものとしてしまいます。上達が非常に遅いのです。結果として、XXXを彫るという目標達成になかなか近づかないのです。これが目標を持つことの危うさです。
したがいまして、私は目標を持つことは大切だと思いますが、はじめはなくても構わないとも思うのです。それより、大切なことは、今、自分はどうしたいか、何ができて何ができてないかと自分に問いつづけることだと思います。