仏像のグループ・組み合わせ
仏像のグループ
仏像は「如来(にょらい)」、「菩薩(ぼさつ)」、「明王(みょうおう)」、「天部(てんぶ)」の4つのグループに大別できます。
- 「如来」・・・悟りを開いたグループ
- 例
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- 「菩薩」・・・悟りを求めて修行しつつ私たち衆生(しゅじょう)を救済するグループ
- 例
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- 「明王」・・・怖い顔で仏の教えに従わない者を叱り諭すグループ
- 例
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- 「天部」・・・仏とその教えを守護する神、現世利益をもたらす神のグループ
- 例
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釈迦(しゃか)が没し約500年を経て、初めて釈迦を表した姿が彫刻されました。仏像の誕生です。以後、大乗仏教の発展に伴い、釈迦以外の如来や菩薩や明王など、作られる仏像の種類も増えていきました。仏像には様々な種類がありますが、それぞれの仏像には釈迦の教えと仏像を必要とした人々の願いや信仰の形が刻まれています。
仏像の組み合わせ
仏像の独尊で見られるものもありますが、複数の組み合わせで見られるものも多いです。組み合わせとは、中尊(ちゅうぞん:中央の仏像)と脇待(わきじ、きょうじ:中尊の左右に立つ像)や眷属(けんぞく:従属する使者)のことや三尊、五尊などの尊像形式のことです。最も一般的なものとして、中尊を中心にすえて、中尊を助ける脇待で両脇を固める「三尊形式(さんぞんけいしき)」があげられます。このとき、どのグループの仏でも中尊になりえます。ただし、仏の尊格としては如来、菩薩、明王、天部の順となっており、中尊より格上グループの仏が脇侍となることはほとんどありません。
主な組み合わせ例
- 独尊像
- 釈迦・薬師・阿弥陀などの如来像、弥勒・観音などの菩薩像
- 二尊像
- 釈迦如来・多宝如来像、釈迦如来・阿弥陀如来像など
- 三尊像
- 釈迦如来(中尊)・普賢菩薩/文殊菩薩(脇待)
- 釈迦如来(中尊)・梵天/帝釈天(脇待)
- 釈迦如来(中尊)・薬王菩薩/薬上菩薩(脇待)
- 阿弥陀如来(中尊)・観音菩薩/勢至菩薩(脇待)
- 薬師如来(中尊)・日光菩薩/月光菩薩(脇待)
- 四尊像
- 四天王【持国天・増長天・広目天・多聞天】
- 五尊像
- 五智如来【大日如来、阿閦如来(あしゅくにょらい)、宝生如来(
ほうしょうにょらい)、阿弥陀如来(あみだにょらい)、不空成就如来(ふくうじょうじゅにょらい)】 - 五大明王【不動明王、降三世明王(こうざんぜみょうおう)、軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)、大威徳明王(だいいとくみょうおう)、金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)】
- 五智如来【大日如来、阿閦如来(あしゅくにょらい)、宝生如来(
- 八尊像
- 八部衆【天・竜・夜叉(やしゃ)・乾闥婆(けんだつば)・阿修羅(あしゅら)・迦楼羅(かるら)・緊那羅(きんなら)・摩睺羅迦(まごらが)】-釈迦如来の眷属。
- 十二尊像
- 十二神将【宮毘羅 (くびら) ,伐折羅 (ばさら) ,迷企羅 (めきら) ,安底羅 (あんてら) ,安底羅 (あんにら) ,珊底羅 (さんてら) ,因達 (陀) 羅 (いんだら) ,波夷羅 (はいら) ,摩虎羅 (まこら) ,真達羅 (しんだら) ,招杜羅 (しゃとら) ,毘羯羅 (びから) 】 -薬師如来の眷属。